介護ベッドのオカセイ > オカセイコラム > 高齢者の風邪で気をつけたいこと
日差しの温かさを感じることがあるものの、まだまだ寒い日が続いていますね。今回は、介護ベッドや介護用品についてではなく、健康的な日々を過ごせるよう、風邪についてお話をしたいと思います。
若い人でも風邪をひくことはありますが、高齢の人が風邪をひくと、重症化しやすいと言われています。それは、抵抗力が低下していて、肺炎などの合併症を起こしやすいためです。
●風邪をひきやすい
風邪のひきはじめによくある悪寒は感じにくいです。
●高熱が出にくい
身体の機能が衰えているので、若い人のように熱が40度まで上がることは少ないです。
●長引きやすい
新陳代謝が落ちているので、治りも遅いです。
●悪化していてもわかりにくい
●風邪薬の副作用が起こりやすい
若いころに比べて胃腸の働きが低下しているので、風邪薬をうまく受けつけず、胃痛や腹痛を起したり、食欲が減退したりする。
●せき、たんがよく出る
のどや気道の粘膜の働きが弱っているので、喉のもっと奥や気管支にウイルスが到達しやすく、せきやたんがひどくなりやすいです。鼻水、鼻づまり、のどの痛みは若い人より出にくいです。
●食欲が低下する
●たんの切れが悪い
強い咳をしても、たんがうまくきれず呼吸困難になりやすいです。
●肺炎を併発しやすい
風邪がひどいからといって、長い期間安静にしすぎるのも、筋力が弱り寝たきりの原因をつくってしまうため、バランスが大切です。食欲がないときには、ビタミンを補給できる果物などもおすすめです。頭を少し高めにして寝かせてあげると、少し呼吸が楽になります。こまめに身体の向きを変えたり移動させるだけでも、肺炎の予防になるそうです。
風邪の原因は細菌やウイルスです。原因が細菌の場合は、抗生物質を使って治療しますが、ウイルスの場合は効く薬がないのだそうです。
インフルエンザの流行シーズンになるとよく聞く「タミフル」「リレンザ」などもインフルエンザウイルスを殺すことはできません。ただ、これ以上ウイルスが増えないように防ぐ、というお薬です。さらに市販の風邪薬の場合は、症状を落ち着かせるくらいの働きで、原因になっている細菌を殺すことはできないのです。
そのため、免疫力・抵抗力が落ちている高齢の人が風邪をひくと、予想以上に悪化し重篤な状態になることがあります。
注意したい病気@気管支炎
鼻と喉には「ほこり・病原菌の侵入を防ぐ機能」があります。風邪を引くとその機能が低下するので、病原菌がその下の気管支まで入り込んで炎症を起こすのが気管支炎です。肺炎の原因になったり、呼吸困難や急性呼吸不全などを起すこともある病気です。
注意したい病気A肺炎
高齢者の死因のトップ3に入る病気です。
風邪をひくと、鼻から喉の「ほこり・病原菌の侵入を防ぐ機能」が低下し、そこに、病原菌が肺に侵入し、増殖して肺炎を起こします。年齢と共に肺の機能が低下し免疫力も弱くなるので、若い人よりも高齢の人が起しやすい病気です。
高齢になると、若いころのように高熱が出ることも少なく、症状がつかみにくくなります。ご家族でも見落としてしまいやすいですが、いつもより食欲がない、身体がだるそう、話しかけても返事がなかなか返ってこない、機嫌が悪いような気がする、そんな小さな変化を、ぜひ気づいてあげてください。
風邪で安静にしなければいけないけれど、ずっと寝て過ごしていては、筋力の低下が心配です。身体を少し起こしたり、右向き横向きと体を動かしてみたり、些細なことですが、身体を動かす時間を作ってあげたいものですね。
身体を起こす動作を介助するには、予想以上に体力を使います。電動介護ベッドを利用するなどして、介護する人の負担を減らして疲れをためないように気をつけてください。
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